百楽荘は、石川県能登半島九十九湾にある老舗の一軒宿である。
金沢からだと車で約2時間。能登半島の先端に近い西海岸に位置する。
能登空港からは車で30分なので、飛行機でのアクセスも便利だろう。
リアス式海岸で、大小多く(99個?)の入り江があことから、九十九湾と呼ばれているらしい。
日本百景の1つにも数えられる、美しい湾だ。
道路から百楽荘へと続く私道の入り口には、百楽荘の看板(門?)が建っているのだが、かなり古びているため、正直、不安になる。
しかも、門を通過する時には、ブザーが鳴るのだ。
車が玄関に到着した時のお出迎えのためと思われるが、古びた門と相成って、不安を増大させる。
林道に毛の生えたような薄暗い道を進むと、駐車場が見えてくる。
駐車場の一番奥に宿が見える。
スタッフが一人出てきて、車の誘導をしてくれた。
宿の周囲は林に囲まれており、宿全体を見ることはできない。
玄関周りは、植木などで綺麗に整備されており、雰囲気も良い。
玄関を入ると、心地よいお香の香りが漂っている。
玄関横にあるお食事処、百楽茶屋に通され、ウェルカムドリンクのサービスとチェックインの手続きをする。
荷物は、駐車場で誘導してくれたスタッフが、先に部屋に運んでくれるという。
百楽茶屋からは、九十九湾を一望することができる。
眼下に広がる漁港には、ゆっくりとした時間が流れている。
百楽茶屋で少し休憩した後、仲居さんに案内された客室は、ベッドのある和洋室だ。
一般客室はほとんどが和室で、一部和洋室があるという。
築年数の古さは感じさせるものの、きれいに清掃されている。
壁やふすまの染みまでは隠しきれていないのが残念だ。
洗面所や浴室は、30〜40年前にタイムスリップしたかのようだ。
浴室に関しては、ほとんどの客は大浴場を使うのだろうが、今時、暗いタイル張りは如何なものか。
客室は、睡眠時間も含め、客が宿泊施設の中で最も長い時間を過ごす場所である。
早急な改善を求めたい。(2010年6月現在)
大浴場は、2箇所あり、時間により男女が入れ替わる。
1つは地下にある洞窟風呂、もう1つは展望風呂だ。
洞窟風呂は、地下5階にある。
海洋深層水の洞窟風呂は、日本でもここだけとのこと。
この洞窟、一人の石工が、3年かけてつるはし1本で掘ったそうだ。
脱衣所には、この石工が残したというつるはしのレリーフが残されている
趣のある洞窟風呂からは、外に出ることができ、外のテラスは、海の見える壷風呂となっている。
展望風呂は、海の側の高台に立つ立地を活かしたもので、九十九湾を一望できる。
脱衣所、浴室とも広く、開放感がある。
展望風呂の隣には、2つの貸切風呂がある。
一般客室の場合、別料金(3150円/50分)だ。
夕食は、地下の乙姫荘で頂いた。
地下と言っても、高台の上が1階なので、地下は、海面に近い位置となる。
数年前にリニューアルしたばかりで、きれいで雰囲気も良い。
能登の地物を活かした会席料理はどれも絶品!
せっかくなので、+3000円で、オプションの能登づくし会席をプラスすることをお勧めしたい。
翌朝の朝食は、百楽茶屋で。
展望の良い場所での朝食は、非常に気持ち良いものだ。
朝食の量も十分過ぎるほどで、足りない人はいないだろう。
残念ながら、今回は体験することができなかったが、宿には釣り桟橋があり、九十九湾の様々な魚釣りを楽しむことができるそうだ。
もちろん、釣った魚は厨房で調理してもらえるとのこと。
チェックインからチェックアウトまでの時間をフルに使って、釣りを楽しむのも風流だ。
施設の古さは気になるものの、スタッフの対応やサービスも、ワンランク上の宿と同等だ。
強いて言うなら、風呂が温泉だと嬉しいのだが、やはり、それは贅沢かもしれない。
値段以上の価値はある宿だと思う。
住所:石川県鳳珠郡能登町越坂11−34
駐車場:25台 無料
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